窓ガラスの防犯対策

窓ガラスによく使われているのは、フロートガラスと呼ばれるノーマルなガラスです。フロートガラスは、加工もしやすく素材自体の価格が安いという利点があります。ただ、強度はそれほど強くなく、外圧が加わると普通に割れてしまいますので、防犯面においては優れた素材ではありません。厚みを持たせて加工することで、ある程度は強度を高めることができますが、石のような固くて重量のあるもので衝撃を加えると簡単に割れてしまいます。ですから、防犯性能を求めるのであれば、防犯ガラスを設置する必要があります。

防犯ガラスの特徴

防犯対策用の窓ガラスには、貫通耐性の高い防犯ガラスがあります。防犯ガラスは、厚めに加工した2枚のガラスの間に貫通耐性の高い特殊フィルムを何枚も挟み、「貫通し難い」ガラスに加工したものです。防犯ガラスは割れないガラスではありませんが、叩き割られてもひびが入るだけで穴が開きにくい特性があります。そのため、空き巣が窓を破って侵入をしようとするのに時間が掛かるようになり、空き巣から見てターゲットにされにくい「空き巣予防」の効果も期待できます。

防犯ガラスの飛散防止効果

普通のフロートガラスは、割れた時に尖ったガラスの破片が飛散する危険性があります。それと比較して防犯ガラスの場合だと、仮に割れても破片が飛散しにくいという特性があるため、地震などの自然災害時の被害を最小限にする効果が期待できます。


防犯ガラスの強度

防犯ガラスの強度は、ガラスの間に挟む特殊フィルムの厚みと枚数によってレベルが分かれています。空き巣の侵入手段を想定して、それに適した防犯ガラスを設置することが理想です。例えば、一般住宅などを狙って入る空き巣がよくやるのは、ドライバーやバールを使ってガラスをたたき割る手口です。ドライバーやバールの衝撃に対しては、0.8mmもしくは0.8mm×2の特殊フィルムが入った防犯ガラスが適しています。不慣れな空き巣がドライバーを使って侵入してくるようなケースでは、0.8mmの特殊フィルムイン防犯ガラスで十分防ぐことができます。法人向けの防犯ガラスになると、2.4mmの特殊フィルムや、ポリカーボネートと呼ばれる耐久度の高い板を挟んだ防犯ガラスがより性能面で適しています。


防犯ガラスと防犯フィルム

ガラス自体に割れない加工を施している防犯ガラスとは違って、フロートガラスに貼り付けるタイプの防犯フィルムというものがあります。防犯フィルムは、窓ガラスの外側に張り付けるため、自分でも施工できるのですが、防犯ガラスよりも耐用年数が短く、防犯ガラスの交換目安が約20年なのに対して、防犯フィルムは10年ごとに貼り換えをする必要があります。また、市販されている防犯フィルムの品質は、物によって異なるため、確実にセキュリティ対策を行うのであれば、フィルムの施工を専門の業者に依頼するか、防犯ガラスを設置した方が安全です。


窓ロックでの防犯対策

防犯ガラスやフィルムを施工して備えるだけではなく、窓ロックを取付けて外から窓が開かないようにする方法もあります。窓ロックには、ダイヤルロック式のものがあり、万が一空き巣にガラスを割られても、鍵自体を空けられないので、侵入できなくなる仕組みです。防犯ガラスと組み合わせて設置すると、より高いセキュリティ効果が期待できるでしょう。